ディレクター
中島 北陽

ホームページ制作を始める際、「何を伝えればいいか分からない」という声をよく伺います。デザインの好みだけでなく、目的・運用・将来の拡張まで、私たちが確認しているポイントをご紹介します。
「ホームページをリニューアルしたいけれど、何を伝えればいいか分からない」
制作のご相談をいただく際、こうした声を伺うことがあります。
「デザインを今っぽくしたい」
「スマートフォンでも見やすくしたい」
「自分たちで更新できるようにしたい」
こうしたご要望だけでも、もちろん制作の相談を始めることはできます。
むしろ最初から必要な機能やページ構成をすべて決めておく必要はありません。
私たちディレクターの仕事の一つは、お客さまとの会話を通して、まだ言葉になっていない要望や課題を整理することです。
今回は、ホームページ制作を始める際に、私たちがどのようなことを確認しているのかをご紹介します。
ホームページ制作の打ち合わせでは、デザインの好みや参考サイトについて伺うことがあります。
もちろん、それも大切な情報です。
ただし、「かっこいいサイト」「シンプルなサイト」といったイメージだけでは、WEBサイトに必要な機能や構造までは決まりません。
たとえば同じコーポレートサイトでも、
では、サイトの構成は大きく変わります。
まず確認するのは、見た目よりもサイトを作る目的と、現在抱えている課題です。
次に重要なのが、公開後の運用です。
たとえば、
「お知らせを月に数回更新したい」
「スタッフ紹介を自社で追加したい」
「実績を営業担当者でも登録できるようにしたい」
など、必要な更新機能は企業によって異なります。
このとき私たちが確認するのは、単に「CMSが必要ですか?」ということだけではありません。
といった実際の運用方法まで確認します。
高機能な管理画面を作っても、操作が複雑で更新されなくなってしまえば意味がありません。
逆に、頻繁に更新するページを毎回制作会社へ依頼しなければならない状態も、運用負担が大きくなります。
誰が実際に使うのかを想像して機能を決めることが重要です。
仕様がすべて固まっていなくても問題ありません。背景や課題を伺いながら、必要なページ・機能・運用方法を一緒に整理します。
制作時点では不要でも、将来的に追加される可能性のあるコンテンツについても確認します。
たとえば、
などです。
公開時にすべて準備する必要はありません。
ただし、今後追加する可能性が分かっていれば、サイト構造やCMSをあらかじめ拡張しやすい形に設計できます。
サイト制作では、現在必要なものだけではなく、少し先の運用まで見据えておくことが後々の改修コストを抑えることにもつながります。
WEBサイト単体では完結しないケースも多くあります。
たとえば、
などです。
この場合、見た目だけを決めてもサイトは作れません。
現在どのようなサービスを利用しているのか、WEBサイトとどこまで連携する必要があるのかを確認しながら、エンジニアとも相談して仕様を整理します。
制作開始後に初めて外部システムとの連携が必要だと分かると、工数やスケジュールが大きく変わることがあります。
そのため、打ち合わせの段階で既存の業務フローについても伺うようにしています。
WEBサイトを作るためには、デザインやシステムだけでなく、掲載する素材も必要です。
たとえば、
などです。
既存素材を使用できる場合もありますが、リニューアルを機に撮影が必要になるケースもあります。
その場合は、サイト制作とは別に撮影スケジュールも考える必要があります。
また、原稿についても、
「お客さまにご用意いただくのか」
「こちらでヒアリングして作成するのか」
によって進行方法が変わります。
制作スケジュールを考えるときには、デザインや開発だけではなく、素材がいつそろうのかも重要なポイントです。
制作前のヒアリングというと、必要なページ数や機能を確認するための作業と思われるかもしれません。
しかし、私たちがヒアリングで整理したいのはそれだけではありません。
たとえば、
「そもそも、なぜ今回リニューアルするのか」
「現在のサイトのどこに困っているのか」
「数年後、会社としてどうなっていたいのか」
という背景まで伺うことで、本当に必要なサイトの形が見えてくることがあります。
お客さまから最初にいただいた要望をそのまま仕様にするのではなく、話を聞きながら、
「この機能は本当に必要なのか」
「別の方法の方が運用しやすいのではないか」
と整理していくことも、ディレクションの重要な役割です。
ホームページ制作を検討するとき、発注側で仕様をすべて整理してから制作会社へ相談しなければならない、と思われることがあります。
しかし、最初からすべてが決まっているケースはそれほど多くありません。
「今のサイトが使いにくい」
「何となく古く見える」
「採用を強化したい」
といったところからでも、十分に制作の相談を始めることができます。
私たちは、その背景を伺いながら、必要なページ、機能、コンテンツ、運用方法を一緒に整理していきます。
何を作るかを決めるところから一緒に考える。
それもWEBサイト制作におけるディレクターの仕事の一つだと考えています。
ディレクター
中島 北陽